座長の言葉
国民医療費に占める割合が高い心疾患領域は、他領域以上に医療経済を論じることが望まれているが、当該領域のさらなる発展には、医療技術の一層の進歩とともに病院の経営基盤の強化が不可欠である。そのため、医療サービスの生産性の向上や付加価値の高い診療への資源投入が希求されている。
そこで、本セッションは、当該領域の存在意義の見える化や今後目指すべき方向に関わる理解の醸成を目的に、医療経済学的な議論に必要とされる理論・手法の基礎について解説を行う。具体的には、医療分野における価値評価の理論や手法を解説しつつ、医療の報酬水準や医療機関の経営などのあり方について、関連研究や制度改革の潮流を踏まえて論じる。