ARIA-EVT 2017

ARIA2017

ARIA-EVT 2017の今年のみどころをご紹介します。

1. SFAに対するDCB(薬剤溶出性バーン)の薬事承認おりる(臨床使用間近)

欧米では4-5年前より臨床使用が可能となり、ガイドラインにも推奨されているSFAに対するDCB (LUTONIX, IIMPACT)の薬事承認が本年8月におりました。
保険償還後にいよいよ日本の臨床現場で使用可能となります。
SFAは解剖学的に骨盤の外に位置し外力の影響を受けやすく、ステント断裂によるイベント発症が多い部位であります。
またNon-Stent ZoneであるCFA、Popliteal A近位部に病変はできればステントを回避したい症例であります。
本邦では海外及び国内の臨床試験の結果よりDCB適正使用指針がCVIT学会、血管外科学会、IVR学会の三学会合同で作成されました。
DCBを用いて再狭窄を抑制し、Nothing to behind治療を完成させるためには、適正なLesion preparationが重要であることを適正指針は述べております。
Real Worldにおいてはびまん性病変、石灰化病変が多く、解離が生じた時にBail-outステントはどのような場面で、どのように使用すればよいのか?
今後、DES,BMS、Viavahnの位置づけはどうなっていくのか?
臨床的疑問は多々あります。

DCBに関しては11月23日(木)のランチョン(メドドロニック共催)でイタリアよりDCBの経験豊富な放射線科医Fanelli先生をお招きし、DCBの欧州における最新情報、最新最適使用方法を講演いただきます。
その後の午後1時からのセッションではDCB時代にLesion Preparationをどのように行うべきかをFanelli先生を交えて日本の第一線の医師と議論をいたします。
11月24日(金)はEVTライブ症例の中でDCBに関して、適正使用を含めて、活発な議論を行いたいと思います。
午後にはアフタヌーンセッション(メデイコンバード共催)で本邦におけるDCBの適正症指針、PMS計画、今後の市場展開について情報を提供したいと思います。
いよいよ、本邦においてDCB時代が始まります。
このARIA-EVTで誰よりも早くDCBの情報をGetしませんか。

2. ARIA-EVT2017ライブ

11月24日(金)終日EVTライブを行います。今年は宮崎市郡医師会病院より横井医師(福岡山王)、仲間医師(宮崎市郡医師医師会)、椿本医師(京都第二日赤)で4症例、近森病院より関医師(近森)、佐藤医師(土谷あかね)、新谷医師(新古賀)で4症例を行います。

4つのテーマよりライブは構成されており、
①SFA TASCA-B病変(午前)、②SFA TASC-C病変(午前)、③SFA-TASC-D病変(午後)、④BTK病変(午後)
に対する最適なEVTを議論したいと思います。
①②ではDCBの適応を、DES、BMSの位置づけを議論したいと思います。
③ではCTO-Wiring、DES(Zilver-PTX), Viavahnの適正使用について議論したいと思います。
④ではBTKのみmならずPedal-arch Angiopastyについても議論したいと思います。
病変形態別に最新のEVTを、ライブを通じて学ぶことができます。

3. 国内初の静脈ステント研究会

欧米ではPTSを原因とする難治性うっ滞性下肢潰瘍症例に対する腸骨静脈インターベンションが注目され、症例は増加しています。
本邦では静脈ステントは未承認のため、動脈用ステントを代用しているのが現状です。
また、診断においてもIVUSの重要性が注目されています。
本セッションでは難治性うっ滞性下肢潰瘍に対する治療の現状、静脈ステントの適応について学び、本邦における静脈ステント症例を3施設から提示いただき、本邦における静脈ステントの今後について議論します。
これから、静脈インターベンションを考えている先生には必見です。

4. 内腸骨動脈を温存する新しいステントグラフト治療

今までの総腸骨動脈瘤に対するステントグラフト治療では内腸骨動脈を温存することは困難でした。
Gore社の新しいデバイスIBE (Iliac Branch Endoprosthesis)とExcluderを組み合わせることにより内腸骨動脈を温存するステントグラフト治療が可能となりました。
ビデオライブを通じて新しい治療に議論したいと思います。

5. 腎動脈デナベーションの現状と今後

3年前、難治性高血圧症に対して大きな期待が寄せられていた腎動脈デナベーション(RDN)の有効性と安全性を検証したSIMPLICITY HT-3試験の結果はシャムコントロール群にRDNは優位性を示すことは出来ませんでした。
欧州の高血圧ガイドラインに記載されていたRDNでありましたが、その後世界的にRDNへの期待は収縮しました。
しかし、その後SIMPLICITY HT-3試験不成功の原因が分析され、交感神経末端は腎動脈の遠位部に存在することや、単極カテーテルでは血管壁へのコンタクトが不良であることなどが原因であることが明らかとなり、カテーテルの改良や超音波を用いたデナベーションなど新しいRDNデバイスが開発され、本邦において新たな臨床試験が開始されています。
本年のESC2017では未治療高血圧患者にRDNはシャム治療に比較して有意に血圧を下げたSPYRAL HTN-OFF MED試験の結果が発表されました。

本セッションでは今後新たなEVTのフィールドになる可能性のあるRDNの現状と今後について議論したいと思います。
RDNに関心のある先生、どうぞご参加ください。

6. 急性期脳梗塞に対するカテーテル治療の現状

30年前に施行された急性心筋梗塞に対する再疎通療法は、今や標準的治療として確立しておりますが、急性脳梗塞に対する再疎通療法は3年前よりエビデンスが確立し、本邦においてもtPA、血栓吸引療法が行われています。
脳梗塞の原因は心房細動による心原性塞栓、頸動脈狭窄によるアテローム血栓塞栓症、ラクナ梗塞があり循環器疾患を原因疾患としているものが少なくありません。

本セッションでは本邦における急性期脳梗塞に対するカテーテル治療の現状を脳血管治療医より学び、循環器医の役割を考えてみたいと思います。

メニュー