ARIA2017ライブ振り返り【EVTライブ2】

ARIA2017

EVTライブ2:Stenting or not, DCB or DES, that is the problem

「石灰化の浅大腿動脈びまん性狭窄(TASC C)病変に対する治療」をテーマとした症例です。
全体的に石灰化の強い、悩ましい症例です。
最も狭窄が厳しい箇所は、Calcified noduleと言われる、石の塊が血管内に突出しているような所見です。
フロアにいらっしゃった、宮本明先生(総合高津中央病院)から、狭窄病変であっても、石灰化の中央をpenetration wireで穿通すべきであるという意見も出ましたが、術者は最終的に、縁を通過したルートをそのまま拡張しました。
4.0mmのNSE PTA (GOODMAN)、で拡張後、5.0x200mmのAdomiral long (Medtronic)で拡張しましたが、やはりBalloonのIndentationが残ります。
そこを同サイズのハイプレッシャーバルーン: MUSTANG (Boston) で高圧拡張させたところ、ある程度の内腔は確保されたので、その時点で手技終了としています。
こういった病変で、Recoilを防ぐ、もしくはある程度のGainを担保するために、Stentを留置するかどうかは悩ましい部分です。
今回の症例に関しては、比較的若年の、跛行患者さん、しかも初回治療であることから、不完全拡張の部分にStentを留置する事は、その後の臨床経過が悪くなる事が危惧されるため、Stentは留置せず、経過をみるという方針を選択しました。
これが、重症下肢虚血の患者さんであれば、また違う選択になったでしょうか。

Stentを留置しないのであれば、DCBの使用を考えたい所ですが、現在使用できるLutonix (Medicon/BARD)は、TASC A/B病変にしか適応がなく、現段階では使用できません。
また、前日のシンポジウムでも紹介があったように、石灰化病変、特にinitial gainが得られないような病変に対するDCBの効果は期待できない可能性が高いです。
そのため、もしDCBが使用できたとしても、このCalcified noduleが突出する病変には、効果が薄いことが予想されます。
将来登場する、Debulking deviceや、新世代のHigh radial force stentに期待したい所です。

仲間 達也(宮崎市郡医師会病院)

EVTライブ2:Stenting or not, DCB or DES, that is the problem

日時
2017/11/24(金)10:30〜12:00 第2会場3階 A大会議室
オペレーター
仲間 達也(宮崎市郡医師会病院) 横井 宏佳(福岡山王病院)
新谷 嘉章(新古賀病院) 関 秀一(近森病院)
座長
南都 伸介(西宮市病院事業管理者) 横井 良明(岸和田徳洲会病院)
コメンテーター
川﨑 大三(森之宮病院) 山内 靖隆(総合高津中央病院)
野田 勝生(熊本中央病院) 田山 信至(JCHO 熊本総合病院)
緒方 信彦(上尾中央総合病院) 久良木亮一(九州医療センター)
Fanelli Fabrizio(Careggi University Hospital)
Flash presentation 3
Fanelli Fabrizio(Careggi University Hospital)
Flash presentation 4
川﨑 大三(森之宮病院)
共催
日本メドトロニック株式会社

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