【新しい補助循環装置IMPELLAを学ぶ】横井宏佳会長から皆様へ

ARIA2018

本邦においてIMPELLAの薬事承認取得から2年が経過しました。欧米では心原性ショック症例のみならず、高リスクPCI症例にも使用可能であり、全米の80%のPCI施行病院に設置され、使用症例数は増加しています。本邦においては心原性ショックなどの薬物治療抵抗性の急性心不全に対してのみ適応が認められ、施設要件も厳格ですが、徐々に使用施設数が増加し救命例が報告されています。米国ではIMPELLAの導入により急性心筋梗塞に急性期治療にOnset-Unloading Timeという新しい概念が導入され再疎通療法は大きく変わろうとしています。このような状況の中で、我々インターベンション医は自院にIMPELLAがなくとも、患者救命のためにIMPELLAのある施設へ搬送することも必要であり、IMPELLAの最新情報、真の力を知っておく必要があります。

ARIA2018ではIMPELLAを学んでいただくために、2つのセッションを設けております。一つはIMPELLA時代の劇症型心筋炎に対する治療戦略を考えるセッションで、11月22日(木)午後4時50分から午後6時20分の90分間、第5会場で予定されています。劇症型心筋炎はPCPS、IABPといった補助循環装置を用いても救命できないことを我々は経験してきました。IMPELLA導入後、救命例の報告がなされています。日本医大、国立循環器病センターより症例提示をいただき、米国でIMPELLAの使用経験豊富な九州大学心臓外科塩瀬先生より劇症型心筋炎に対するIMPELLAを用いた治療戦略を解説してもらいます。

もうひとつはIMPELLA時代の心原性ショックを伴う急性心筋梗塞症に対する治療戦略を考えるセッションで、11月22日(木)午後6時10分から午後7時20分の70分間、第2会場で予定されています。再疎通療法時代においても未だに救命率改善が得られていない病態が心原性ショックを伴う急性心筋梗塞症です。米国で先行しているIMPELLAを用いたOnset-Unloading Timeという概念が本当に救命に繋がるのか?最新の動物実験データー、海外臨床データーを学び、本邦の実際の使用症例から皆さんと議論し、学びたいと思います。

今、助けられない患者の命を、明日は救いたいと思っているインターベンション医は、是非ともこの2つのIMPELLAセッションに参加ください。最新情報を手に入れることが出来ます。

ARIA2018 会長 横井宏佳

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