本年Corindus社のCorPath GRXシステムの薬事承認がとれ、保険償還がされれば、いよいよ本邦においてPCI領域にロボット技術の導入が始まることになりました。外科手術の領域ではすでにダヴィンチ手術が導入され、前立腺領域においては大きなインパクトを与えています。米国ではすでに、50を超える病院で臨床使用が開始されており、TCT2018でもRobotic PCIのライブ症例提示がありました。AI、IoT、Roboticの医療への参入は避けられないことであり、より良い医療に繋がるのであれば、我々は積極的のこの技術を臨床現場に導入しなければなりません。
ARIA2018では残念ながらRobotic PCI のライブ症例を提示するとは出来ませんが、米国に渡りSt Luces Mid America病院でRobotic PCI の使用経験のある日本人医師(平井先生)に講演をいただく機会を設けました。11月24日(金)第4会場で午前12時10分から午後1時10分の60分間のランチョンセッションを企画しております。米国の最新動向を聞いていただけますので、是非ともご参加いただければ思います。
また、Robotic PCI の導入は、用手よりも正確なPCIが可能となる患者さんへのメリットのみならず、被爆の低減、腰への負担緩和など、術者へのメリットも大きい技術革新です。女性医師を含めた医師の働き方改革が、本年大きな話題になっておりますが、Robotic PCI の導入がインターベンション医の働き方にどのような影響を及ぼすのか?これを皆で考えるセッションを11月22日(木)第4会場で午後6時20分から午後7時20分の60分間企画しました。会の冒頭にはARIA主催でPMDAよりCorPath GRXシステムの承認審査のプロセスを説明いただき、その後、伊苅CVIT新理事長の発案で新設した働き方改革小委員会委員長本江先生の司会で、未来のカテ室の働き方について議論したいと思います。こちらも是非ともご参加いただければと思います。
ダヴィンチ手術は最初は心臓手術用に開発されましたが、その後前立腺手術においてより効果があることが明らかになったように、このCorPath GRXシステムを用いたカテーテル治療はPCIのみならず、EVT、SHDの領域においても効果が期待されると思います。ダヴィンチ手術時の術者情報はAIを用いてDeep Learningにより最適な術式を追求することができ、理想の術式を追求するプロジェクトが進行しているようです。CTOに対するPCIもロボットを用いて体系化、標準化が可能な時代がやってくるかもしれません。そのためにも我々はロボットPCIの最新動向から遅れるわけにはいきません。是非とも、この2つのセッションにご参加ください。
ARIA2018 会長 横井宏佳