コーディネーターの言葉
高齢化社会の進展や生活習慣の欧米化、治療の進歩などの様々な要因が絡み合い、心不全患者数は増加の一途をたどっています。2030年には患者数が130万人を超えるとも予測されており、我々はこの未曾有の”心不全パンデミック”時代に挑んでいかねばなりません。
そのような中、2016年10月に日本心不全学会より「高齢者心不全患者の治療に関するステートメント」が発表されました。ステートメントでも指摘されているように、増悪寛解を繰り返しながら徐々に悪化していく心不全の「病みの軌跡」の中で、疾患そのものに対する治療対応だけでなく、社会経済的、心理的、そして倫理的な関わりが強く求められています。そして、その実践のためには多職種チームが必要不可欠です。
本セッションでは、重症心不全管理、心不全再入院予防、緩和ケアの視点から心不全多職種チーム医療の「今」を切り出し、その経験をシェアすることによって、幅広く多職種チーム医療を普及させるきっかけを創出したいと考えています。