コーディネーターの言葉
この度このARIA2017において、恐らく本邦初となるCHIP(チップ)セッションを横井宏佳先生のご発案で行わせて頂くこととなりました。
CHIPとは、Complex Higher-risk and Indicated Patients の略で、2015年頃から米国で盛んに論じられるようになってきた、PCI症例のなかでも血行再建の適応があるが、病変の複雑度や低心機能や合併弁膜疾患などのためPCIがハイリスクである患者、またはそのPCI自体を意味します。
我が国ではCTOなどの複雑病変に対して、世界水準より高いレベルでの取り組みが既に盛んになされてきておりますが、CHIPという最新の概念に基づきハイリスクPCIについてのディスカッションをさらに深めることには大きな意義があると考えます。
CHIPオペレーターには、複雑病変に対する専用PCIデバイス、低心機能に対する経皮的左室補助デバイスなどの各種ツールを、一つのツールボックスに入れ、常にそして時には一症例で複数を同時に使いこなしCHIP症例を成功に導く知識・経験・技量が要求され、それにはCHIPの概念に基づいた教育・トレーニングがこれからは非常に重要になってくるのではないかと考えます。
このセッションでは、CHIPの概念に触れた上で、実際のCHIP症例の検討、また今後CHIPという概念がどう日本で発展し得るか、CHIPオペレーターのためのトレーニング制度や保険制度の見直しの必要性にまでわたり、岡崎真也先生(順天堂大学病院)、芹川威先生(福岡和白病院)、芦田和博先生(聖隷横浜病院)と、経験豊富なディスカッサントによる討議を行います。
冠動脈インターベンションにかかわる、多くの皆様のご参加をお待ちしております。